【解説】建設技能者の能力評価制度(レベル判定)とは
今回は建設キャリアアップシステムに関わりがある評価制度
【建設技能者の能力評価制度(レベル判定)】について解説させていただきます
自己のスキルについて見える化ともいわれる、「建設技能者の能力評価制度」とは
いったいどのような制度なのでしょうか
目次
建設技能者の能力評価制度(レベル判定)とは
建設技能者の能力評価制度(レベル判定)とは、技能者のスキルを能力評価基準と照らし合わせ、
その基準をクリアしたときに能力が判定される制度です
この判定が「建設技能者の能力評価制度(レベル判定)」です
技能者のスキルとは建設キャリアアップシステムに登録してある資格や技能講習を指します
レベル判定を行うことにより判定されたレベルに応じて、
キャリアアップカードが白以外のブルーやシルバー、ゴールドに変更されます
レベル判定は自身の技能レベルをカードの色で表現し、客観的に目に見える形にしています
以前このレベル判定はレベル判定システムに登録し申請しておりましたが
令和3年6月16日にシステムの稼動は停止しました
建設キャリアアップシステム(CCUS)における技能レベルの判定受付とカード発行を
1ステップで行う制度整備までの間、各能力評価団体がレベル判定を受け付けることになってます
団体により申請方法がまちまちですので、レベル判定を行う場合は申請方法の確認が必要です
レベル判定とカードの色の関係
能力評価(レベル判定)を行い各技能者は、カードの色で自己のスキル力を表現することになります
レベルは1~4の4段階で、レベルが高くなればなるほど要件クリアの難易度が高くなります
階級 | カードの色 | 名称 |
レベル1 | ホワイト | 初級技能者(見習いの技能者等) |
レベル2 | ブルー | 中堅技能者(一人前の技能者) |
レベル3 | シルバー | 職長として現場に従事できる技能者 |
レベル4 | ゴールド | 高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等) |
【レベル1の判定基準】
建設キャリアアップシステムに技能者登録をされ、
かつレベル判定を受けていない技能者がレベル1となります
(建設キャリアアップシステムに登録しただけの技能者は全員ホワイトのカードです)
【レベル2の判定基準】
以下2つを要件を満たしていること
①建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が430日(2年)以上である
②指定された資格を保有していること
【レベル3の判定基準】
以下3つの要件を満たしていること
①建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が1,505日(7年)以上であること
②指定された資格を有していることと、レベル2の資格も有していること
③建設キャリアアップシステムに蓄積された職長または班長としての就業日数が
215日(1年)以上であること
【レベル4判定基準】
以下3つの要件を満たしていること
①建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数が2,150日(10年)以上であること
②指定された資格を有していることと、レベル2,3の資格も有していること
③建設キャリアアップシステムに蓄積された職長としての就業日数が
645日(3年)以上であること
※職長と班長の違いはこちらをご参照ください(建設キャリアアップにおける職長と班長の違い)
※建設キャリアアップシステムに蓄積された就業日数については後述します
35職種の能力評価基準(指定された資格等一覧)
指定された資格はどの技能職種のレベル判定を行うかで変わります
技能職種35種の資格は下表のリンクからご確認ください
(万が一リンク切れの場合はこちらからご確認ください -> 建設技能者の能力評価制度について)
電気工事 | 橋梁 | 造園 | コンクリート圧送 | 防水施工 |
トンネル | 建築塗装 | 左官 | 機械土工 | 海上起重 |
PC | 鉄筋 | 圧接 | 型枠 | 配管 |
とび | 切断穿孔 | 内装仕上 | サッシ・カーテンウォール | エクステリア |
建築板金 | 外壁仕上 | ダクト | 保温保冷 | グラウト |
冷凍空調 | 運動施設 | 基礎ぐい工事 | タイル張り | 道路標識・路面標識 |
消防施設 | 建築大工 | 硝子工事 | ALC | 土工 |
能力評価(レベル判定)を行うメリット
各技能者のレベルは各帳票や建レコ等に表示されます
技能者のメリットはご自身のスキルが対外的にPRでき、モチベーションの向上につながります
事業者のメリットは総合的に自社の評価がアップし、受注拡大につながります
レベル判定を行うメリットは技能者の高スキルを対外的にPRすることができるなど
いろいろメリットがありますので、
取れるレベルがあるなら積極的にレベル判定行ったほうが良いでしょう
レベル判定の補足
建設キャリアアップシステムに蓄積された勤務実績について
レベル判定の判定要素に過去の就業経験が必要ですが、
過去の就業経験は建設キャリアアップシステムに登録されていない方がほとんどです
(建設キャリアアップシステムはここ最近のシステムのため)
現在は経過措置として過去の勤務実績技能者が取得しCCUSに登録した資格の
取得年月日と所属事業者の同意により過去働いていたことが証明することが可能です
レベル判定の申請の流れと料金
【基本事項】
・レベル判定申請を行う所属事業者は建設キャリアアップシステムに事業者登録していることが必要
・レベル判定の対象技能者は建設キャリアアップシステムに技能者登録していることが必要
・申請時には、技能者がどのレベルに該当するか指定しなければならないので、
あらかじめ該当する職種の評価基準を確認する必要がある
・レベル判定の申請手数料は技能者1人当たり¥3,000(レベル判定費用)と
¥1,000(キャリアアップカード更新費用)の合計¥4,000必要となる
レベル判定を行う際の注意事項
令和3年4月1日から建設キャリアアップシステムへのインターネット申請が
簡略型と詳細型のどちらかを選んで技能者登録申請(2段階登録申請)が行えるようになりました
簡略型の登録料は2,500円で詳細型の登録料4,900円です
ここで注意していただきたいことは
簡略型では保有資格情報が登録できません。
つまり令和3年4月以降建設キャリアアップシステムに技能者登録申請された方で
かつ簡略型を選択された方はレベル判定を行えないので注意が必要です
令和3年4月以降技能者登録(インターネット申請)にて簡略型を選択し、
技能者登録された方は詳細型へ変更する必要があります(変更料金2400円)
令和3年4月以降建設キャリアアップシステムに技能者登録申請された方で
詳細型を選択された方、
ならびに、令和3年4月以前に技能者登録申請された方は保有資格情報が登録できますので
通常通りレベル判定が可能です
こちらの記事もどうぞ「【最新解説】専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度とは」